豆腐の豆知識

豆腐の発祥/中国の唐代中期

豆腐の豆知識豆腐の発祥地は中国と言われていおり、起源は、西暦紀元前2世紀、前漢の頃であるという説があります。この説は、16世紀の中国の書「本草綱目」の中に「豆腐は、漢の淮南王劉安に始まる」と書かれていることを根拠としています。しかし、他の見解では豆腐について書かれた文献が唐時代(618〜907年)以降まで存在しておらず、起源は唐代の中期という説もあります。諸説あるなか、少なくとも唐代中期頃には、豆腐は造られていたと考えられます。

日本への伝来/遣唐使によって奈良へ

日本への豆腐の伝来は、奈良時代(710〜784年)、中国に渡った遣唐使の僧侶らによって伝えられたと言われていますが、豆腐が記録に残っているのは、寿永2年(1183年)春日大社(奈良)の神主の日記に『お供物として「春近唐符一種」』と記載されていて、この「唐符」が最初の記録だといわれています。どちらにしても日本で豆腐が造られたのは、奈良・平安の時代からだと言えそうです。

はじめは、僧侶らの間で広まり、次いで精進料理の普及とともに貴族・武家社会に伝わったと思われます。本格的に広まったのは、室町時代(1393〜1572年)になってからで、全国的にもかなり浸透したようです。製造も奈良から京都、全国へと広がりました。

豆腐に適した温度

≪冷やしただけでは豆腐本来の味は楽しめない?≫

皆さんは豆腐を買ってきたら、まずはお宅の冷蔵庫の中にしまいますよね。では、召し上がるときはどうしてますか?「パックからあけて、水にさらして盛りつける?」とお答えになる方がほとんどだと思います。しかし、それではせっかくの豆腐本来の味を楽しめなくなってしまいます。では、もう一工夫でより豆腐らしい味わいを楽しめる方法をお教えします。

≪これでもっと美味しく味わえる!≫

“冷やっこ”に適した温度をご存知ですか?では、“湯豆腐”に適した温度は?寒い時期に食べるアツアツの湯豆腐、う~ん、たまりませんね!しかし、アツアツと言っても熱すぎては、本当の豆腐の味わいが損なわれてしまいます。これは、冷やっこも同じ。湯豆腐の適温は、お鍋で豆腐が「ぐらっ」と動いた瞬間が一番食べごろなのです!ぐつぐつさせてしまい、豆腐が浮いてくるまで待っていては、せっかくの豆腐本来の風味が逃げてしまいます。「熱いより温かい」これが湯豆腐を味わう極意です。冷やっこの場合も同じように「冷たいよりひんやり」。ぜひ、試してください。

≪豆腐の切り方にもこだわりを!≫

ここまでこだわったら、豆腐の切り方にもこだわってみましょう。「えっ!切り方ってあるの?」とお思いでしょうが、絶対「これ!」という切り方は存在しません…。しかし、ちょっとだけ気を使っていただきたい点があります。みなさん、豆腐を切る時は「包丁」を使いますよね。では、その包丁は何で出来ていますか?たいていどこのご家庭でも「金気の包丁」が多いと思います。でも、豆腐を美味しくいただきたい場合には「金気の包丁」は使わないでください。金気が豆腐に移ってしまい味を損ねてしまうからです。ではどうするか?昔の「豆腐通」は、豆腐を割り箸で「割る」ように切っていたそうです。そうする事で金気が移ることも無く、更にお醤油や生姜などの薬味がうまく絡まって、良く馴染むようにもなるからです。この方法には、少々コツが必要ですが試してみてください。よく「けんちん汁」などに豆腐を入れる際に手でちぎって入れているのは、味を良く馴染ませるためなんです。セラミックの包丁を使えば、金気が豆腐に移る心配はありませんが、そこまでこだわったらあなたもかなりの「豆腐通」といえますね。

豆腐の製造工程

さかえや豆腐店の昔ながらのこだわりの製法